【報告】飯舘村蕨平(わらびだいら)行政区集団申立てのご報告
2013年1月25日
原発被災者弁護団
当弁護団では、平成25年1月25日、以下のとおり、飯舘村蕨平行政区の住民による原子力損害賠償紛争解決センターへの集団申立てを行いました。
1 申立て概要 (詳細は、記者会見資料をご覧ください。)
申立件数 30世帯・101名
なお、本件地区の震災前人口は、約50世帯(住民の約3分の2が参加)
請求総額 42億3834万8404円
主な請求項目
①被曝自体に伴う精神的損害
②避難に伴う精神的損害
③財物損害(土地・建物)
④家財道具の賠償
⑤農機具類の賠償
⑥水道・光熱費の増加分の賠償
2 本件申立ての特徴
飯舘村は福島第一原発から20㎞圏外にありますが、積算放射線量が高いことから、計画的避難区域に指定され、2012年7月17日午前0時からは避難指示解除準備区域、居住制限区域、帰還困難区域の3区域に見直されました。蕨平行政区は、居住制限区域(※1)に指定されました(参考資料1)。
しかし、蕨平地区の放射線量測定結果によれば、同地区の放射線量は、帰還困難区域(※2)に指定された隣接する飯舘村長泥地区と比べて、同程度かむしろ高い測定結果が出ています(参考資料2)。にもかかわらず、蕨平地区は政府により居住制限区域に指定されてしまったため、住民は不十分な賠償しか受けることができていないという、まことに不合理な状態が生じております。
今回の申立ては、同地区の住民が、東京電力に対して、そのような不合理を是正し、帰還困難区域と同等の賠償を請求する最初の一斉申立てとなります。
※1居住制限区域とは:避難指示区域のうち、年間積算線量が20ミリシーベルトを超えるおそれがあり、住民の方の被ばく線量を低減する観点から、引き続き避難を継続することが求められる地域です。
※2帰還困難区域とは:5年間を経過してもなお、年間積算線量が20ミリシーベルトを下回らないおそれのある地域であり、現時点で年間積算線量が50ミリシーベルト超の地域が相当します。
記者会見資料・参考資料は、こちらからダウンロード可能です。