請求の流れ

東京電力に対する補償請求について

東京電力に対する補償請求としては,現在(1)東京電力に対する直接請求、(2)ADRの申立、(3)訴訟提起の3種類が考えられます。

東京電力への直接請求 ADRの申立 訴訟提起
手続きの概要 東京電力に対して直接被害金額の請求をする。 原子力賠償紛争解決センター(東京,郡山)に和解の仲介(ADR)の申立をする。 裁判所に訴訟を提起して裁判を行う。
メリット (1)東京電力が定める基準にそのまま従う限りでは早くに支払いを得られる可能性がある。

(2)請求自体に費用がかからない(弁護士を代理人につける場合は弁護士費用がかかることがある)。

(1)被害者である申立人と東京電力の間に法律の専門家が入り、和解案の提示などを通じて解決の後押しをしてくれる。

(2)申立受理から3ヶ月程度を目処に解決努力するとされている。

(3)申立自体に費用がかからない(弁護士を代理人につける場合は弁護士費用がかかることがある)。

(1)東京電力の基準ではなく裁判官が法律に照らして相当と考える金額での解決が期待できる。

(2)当事者の言い分が異なっても最終的に証拠に基づいて必ず裁判所が判決という形で判断を下す。

(3)裁判の中で裁判官主導の元に話し合いをし,和解に至ることもあり得る(その場合裁判官は判決を下さない)。

デメリット (1)東京電力の定める基準での妥協を余儀なくされる。それ以上の請求をするのであれば、結局ADRの申立や訴訟提起をせざるを得ず二重の手間や時間がかかる。

(2)東京電力の書式自体が分かりにくく、利用すること自体にリスクがある。

(3)東京電力の書式を利用しなかった場合に東京電力がどのような対応をするのか全く予測できない。結局相当な時間がかかってしまう可能性もある。

(1)仲介委員の和解案が申立人の納得のいくものとは限らない。

(2)仲介委員の和解案に申立人が納得したとしても、和解案に強制力はないので東京電力がそれに従わない可能性もある。その場合は改めて訴訟提起をしなければならなくなる。

(3)仲介委員を納得させるだけの証拠などを出す必要がある。

(1)被害者が損害や損害と因果関係などを証拠により立証していく必要がある。

(2)請求金額に応じて印紙代(例:300万円の慰謝料請求につき,2万円の印紙代)

(3)被害者本人で裁判を行うことは困難なので弁護士をつける必要があり、その場合の費用がかかる。

(4)一般的に解決まで数か月から1年以上の時間がかかることが予想される(事案によって相当差があるので予測自体が難しい)。

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