令和8年7月13日(月)、控訴審第6回口頭弁論期日が行われましたので,ご報告いたします。
1 控訴審第5回口頭弁論期日について
令和8年7月13日(月)、控訴審第6回口頭弁論期日が開かれました。
2 手続及び主張書面の概要について
(1)手続の概要
双方当事者が下記(2)及び(4)の各準備書面を提出しました。
その上で、原告1名による意見陳述が行われた後、原告控訴審第74準備書面及び、原告控訴審第76準備書面要旨を述べました。
(2)原告
原告は、原告控訴審第73準備書面~第76準備書面及び16世帯17通の個別準備書面を提出し陳述しました。
各準備書面の概要は以下のとおりです。
(原告控訴審第73準備書面)
小児・青年・若年成人におけるCT放射線被ばくによる被ばくリスクについて、EPI-CTコホート研究の結果は、比較的低い線量域から脳腫瘍リスクが有意に増加すること、また、全血液悪性腫瘍・全リンパ系悪性腫瘍に加え、骨髄系悪性腫瘍と一部の白血病も、低線量でもリスクが直線的に増えるとするLNTモデルを裏付けた、ということを述べました。
(原告控訴審第74準備書面)
電離放射線とガン:国連による近時疫学的証拠レビュー及びICRP委員らによるレターについて、最新の疫学研究に基づき、100mSv以下の低線量被ばくでもがん死亡・発症リスクの増加を具体的な数値として示し、LNTモデルの妥当性を認めるほど、低線量被ばくリスクの存在は明確になっていると主張しました。
(原告控訴審第75準備書面)
1審被告東電準備書面(9)(就労不能損害等について実損害を超えて裁判外の賠償が行われている実情の具体例を踏まえても本件控訴に理由がないとする)に対して反論し
原告らの精神的苦痛に見合う精神的損害の賠償がなされなければならないと主張しました。
(原告控訴審第76準備書面)
原判決の判示は、原告らを含む都路地区の住民の生活実態に即しておらず、都路地区は『森』と『農』と『食』が一体化した豊かな地域であり、こうした地域特性を県外からの移住者の呼び込みなどに活かして地域づくりを進めてきたのであるから、マイナーサブシステンス(規模は小さくとも生活や地域との関わりを支える営み)ができなかったことによる被害と損害に即していない原判決が不十分であり、失当であることを述べました。
(3)被告国
被告国からは、被告国第7準備書面及び被告国第8準備書面を提出されました。
各準備書面の概要は以下のとおりです。
(被告国第7準備書面)
原告控訴審第51(B・5・bを踏まえた国の責任に関する補充主張)・第63(予見可能性の時期を特定しないことによる判断の不備を指摘)及び第69(B・5・bによる対応を行っていれば放射物質の放出を回避できたこと)準備書面に対し、これらの主張は理由がないとする反論がなされました。
(被告国第8準備書面)
原告控訴審第71準備書面(規制権限行使をしなかったことの違法性と事故を生じさせた責任)に対し、そもそも電源喪失は津波が原因であるから、原告の主張は無関係であるなどと反論を行いました。
(4)被告東電
被告東電からは1審被告東京電力準備書面(11)及び(12)が提出されました。
各準備書面の概要は以下のとおりです。
(1審被告東電準備書面(11))
原告控訴審第58(子育て不利地になったことに損害)・第68(藤原意見書の指摘は被害を明らかにしていること)及び第72(教育機関の状況を踏まえた子どもの被害)準備書面に対し、学童賠償が行われていることから、精神的損害の発生は認められないなどと反論がなされました。
(1審被告東電準備書面(12))
弁済の抗弁として、都路地区の居住者に対する賠償額は、包括慰謝料としての賠償の目安額を示す中間指針等の考え方を踏まえ賠償しており、日常生活疎外慰謝料、避難等に伴う生活費増加費用、また、自主的避難等に係る損害等は全体として1個の請求権を構成し、裁判外での支払い状況を踏まえれば十分に賠償されているとの反論がなされました。
3 今後の期日について
令和8年11月 2日(月):14時~
令和9年 2月17日(水):14時~
*場所は、いずれも仙台高等裁判所101号法廷です。
【本件についての問合せ先】
原発被災者弁護団都路町担当 弁護士 林 浩靖(03-6912-9271)
