当弁護団における集団訴訟の状況について
2026年1月8日
東日本大震災による原発事故被災者支援弁護団
1 はじめに
2020年10月11日以降、当弁護団が代理人として訴訟追行している4つの集団訴訟(阿武隈会訴訟、鹿島区訴訟、都路町訴訟、小高区訴訟)に関するご報告がなされていませんでした。2020年10月11日以降2025年12月末までの集団訴訟の動向に関し、一括してご報告いたします。
2 阿武隈会訴訟(原告:田村市都路町の緊急時避難準備区域の移住者・移住予定者)
東京地方裁判所が2020(令和2)年10月9日に行った第一審判決に関し、原告ら及び被告東電の双方が控訴しました。東京高等裁判所にて、5回の進行協議期日と3回の弁論期日を行い、2名の原告本人尋問を実施した上で、2025(令和7)3月26日に判決がなされました。控訴審判決は、第一審判決と同じく、国への請求は棄却され、一部、認容額が増額した原告もいるものの、第一審判決が認めていた緊急時避難準備区域における財物賠償が、一定の例外的事情がある者を除いて否定されるという極めて不当な判決がなされました。
かかる判決に対して、11名の原告が最高裁判所に上告し、現在、最高裁判所第一小法廷に係属しております。
3 鹿島区訴訟(原告:南相馬市鹿島区の一時避難要請区域の居住者)
福島地方裁判所は、11名の原告についての原告本人尋問を行った上で、2023(令和5)年3月14日に第一審判決を言い渡しました。国への請求は棄却し、東電への請求についても、中間指針を是認し、中間指針5次追補に基づく増額幅よりも少ない僅かな金額の増額しか認めず、妊婦・子供については増額を認めないという南相馬市鹿島区の一時避難要請区域の被害実態を直視しない極めて不当な判決がなされました。
かかる判決に対して、131名の原告が仙台高等裁判所に控訴し、現在、仙台高等裁判所第1民事部に係属し、1回の進行協議期日と5回の口頭弁論期日が行われ、原告から46通、国から6通、東電から3通の準備書面が提出されています。
今後の予定(いずれも弁論期日)は、
次 回:2026年1月14日(水)午後2時30分
次々回:2026年3月23日(月)午後2時30分
となっております。
4 都路町訴訟(原告:田村市都路町の緊急時避難準備区域の居住者)
福島地方裁判所郡山支部は、3名の専門家証人(早尻正宏北海学園大学経済学部教授、石井秀樹福島大学食農学類准教授、岡本孝司氏)の証人尋問と40名の原告本人尋問を行った上で、2022(令和4)6月2日に第一審判決を言い渡しました。国への請求は棄却し、東電への請求についても、中間指針を是認し、中間指針5次追補に基づく増額幅よりも少ない僅かな金額の増額しか認めず、妊婦・子供については増額を認めないという田村市都路町の緊急時避難準備区域の被害実態を直視しない極めて不当な判決がなされました。
かかる判決に対して、418名の原告が仙台高等裁判所に控訴し、現在、仙台高等裁判所第1民事部に係属し、1回の進行協議期日と3回の口頭弁論期日、2回の弁論準備期日が行われ、原告から62通、国から6通、東電から8通の準備書面が提出されています。
今後の予定(いずれも弁論期日)は、
次 回:2026年1月23日(金)午後2時00分
次々回:2026年4月22日(水)午後2時00分
となっております。
5 小高区訴訟(原告:南相馬市小高区の居住制限区域・避難指示解除準備区域の居住者)
福島地方裁判所は、1名の専門家証人(行友弥農林中央研究所客員研究員)の証人尋問と13名の原告についての原告本人尋問を行った上で、2023(令和5)年3月14日に第一審判決を言い渡しました。国への請求は棄却し、東電への請求についても、中間指針を是認し、中間指針5次追補に基づく増額幅と同額の増額しか認めないという南相馬市小高区の居住制限区域、避難指示解除準備区域の被害実態を直視せず、一部の原告については東電が任意に支払った住居確保損害の一部について弁済の抗弁を肯定するという不当な判決がなされました。
かかる判決に対して、499名の原告が仙台高等裁判所に控訴し、現在、仙台高等裁判所第3民事部に係属し、1回の進行協議期日と1回の口頭弁論期日が行われ、原告から33通、東電から1通の準備書面が提出されています。
今後の予定(いずれも弁論期日)は、
次 回:2026年2月25日(水)午後2時15分
次々回:2026年5月27日(水)午後2時15分
となっております。
【本件についての問合せ先】
原発被災者弁護団訴訟事務担当 弁護士 林 浩靖(03-6912-9271)
