【報告】 都路町訴訟第22回口頭弁論期日等について

【報告】 都路町訴訟第22回口頭弁論期日等について

 

1 第22回口頭弁論期日について

令和元年12月12日(木)午前10時より、福島地方裁判所郡山支部303法廷において、第22回都路町訴訟口頭弁論が開かれ、証人尋問・本人尋問が行われました

 

2 期日に行われた尋問の概略について

(1)専門家証人尋問

早尻正宏北海学園大学准教授の反対尋問が行われました。

前回期日において実施された主尋問にて、早尻正宏証人は、都路地区の森林の存在は都路地区の「自然を活かした生活」の基盤になったこと、森林被害がいかに都路地区の日常生活、将来の生活に影響を及ぼしたかを研究者としての知見に基づき証言して頂きました。今回、被告東電及び被告国は早尻証人の証言の正確性、信用性を弾劾する質問をしましたが、適切にお答えになり、早尻証人の証言の信用性が高いことがはっきりしました。尋問時間は、被告東電が65分、被告国が35分でした。

 

(2)原告本人尋問

今回の期日から原告本人尋問が始まりました。今回は原告1名に対する尋問が行われ、弁護団からの質問(主尋問)が20分、その後、被告東電の質問(反対尋問)が15分行われましたが、被告国からの質問はありませんでした。

 

3 主張書面の概要について

  • 原告

原告は、原告第78準備書面を提出し陳述しました。

準備書面の内容は、現段階での原告ら責任論に関する主張をまとめたものなります。

 

  • 被告国

被告国からは、第35準備書面及び第36準備書面が提出されました。

準備書面の内容は以下のとおりです。

(被告国・第35準備書面)

被告国は、貞観津波の堆積物調査により福島第一発電所に津波高さがO.P.+10メートルを超える津波が到来することを予見できたとする原告の主張に対し、貞観地震に関する知見は規制判断を見直すだけの信頼性がなかった、津波評価技術の考え方に合理性があり、国は津波評価技術の考え方に基づき、さらにさまざまな知見に基づき、客観的かつ合理的な安全対策を事業者に求めてきたとの反論を行いました。

(被告国・第36準備書面)

被告国は、筒井・後藤意見書(証言)に対し反論しました。すなわち、筒井・後藤惟謙書は、どうやったら事故が起きなかったかについての意見ですが、国は、当該意見は専門的でない、現実的でないと主張しました。

 

(3)被告東電

被告東電は、準備書面(29)を提出しました。準備書面の内容は以下のとおりです。

(被告東電・準備書面(29))

津波に関する結果回避義務の主張を整理するもので、結果回避、それを基礎づける予見可能性について、それを踏まえ東電に過失がなかった等、論じています。

 

4 進行協議期日について

口頭弁論後に行われた進行協議期日では

  • 原告は、提出が未了となっている原告の陳述書を早急に提出することを約束しました。
  • 被告国は責任論及び損害論ともに準備書面を提出するとのことでしたが、提出時期は未定とのことでした。
  • 被告東電は責任論については今回提出した準備書面である程度提出は完了したが、損害論については必要に応じて提出する予定であるとのことでした。
  • 専門家証人の尋問については以下のとおり行う予定であることが確認されました。

石井秀樹証人は主尋問を令和2年2月13日期日の午後にモニターを使用して、75分の予定で行い、反対尋問を令和2年7月3日期日の午後に行い、尋問時間は主尋問後に決めることとする。

田辺文也証人は主尋問を令和2年5月20日期日の午後、反対尋問は令和2年9月11日期日の午後に行い、場所は郡山支部で行うこととする。

岡本孝司証人は被告国の主尋問を令和2年10月8日期日の午後に120分の予定で行い、原告及び被告東電の反対尋問を令和3年2月18日期日に行うこととする。

  • 原告本人尋問については以下のとおり行う予定であることが確認されました。

令和2年2月13日期日:原告3名(午前2名、午後1名)

同年4月23日期日:原告5名(午前2名、午後3名)

同年5月20日期日:3名(午前2名、午後1名)

同年10月8日期日:原告2名(午前2名)

同年12月3日期日:3名(午後3名)

令和3年2月19日期日:原告5名(午前2名、午後3名)

 

5 今後の期日について

令和2年2月13日(木)10時~:午前:原告本人尋問2名、午後:石井秀樹証人主尋問、原告本人尋問1名

令和2年4月23日(木)10時~

令和2年5月20日(水)10時~

令和2年7月3日(金):10時~

令和2年9月11日(金):10時~

令和2年10月8日(木):10時~

令和2年12月3日(木):13時10分~

令和2年12月4日(金):10時~

令和3年2月18日(木):13時10分~

令和3年2月19日(金):10時~

*場所は、いずれも福島地方裁判所郡山支部303号法廷です。

 

【本件についての問合せ先】

原発被災者弁護団都路町担当 弁護士 林 浩靖(03-6912-9271)