【報告】 都路町訴訟第21回口頭弁論期日等について
1 第21回口頭弁論期日について
令和元年10月18日(金)午後1時30分,福島地方裁判所郡山支部303法廷において,第21回都路町訴訟口頭弁論が開かれました。
2 期日に行われた尋問について
第21回早尻正宏証人(北海学園大学准教授)の主尋問が行われました。
早尻准教授は,原発事故後に都路地区の森林被害に着目し,論文などで研究成果を発表してきた研究者です。早尻准教授には,都路地区の森林が地域住民によって計画的に育てられてきたものであり,この森林の存在は都路地区での生活の基盤となったこと,この森林被害がいかに都路地区の日常生活,将来の生活に影響を及ぼすことになるかを研究者としての知見に基づき証言していただきました。
3 主張書面の概要について
⑴ 被告国が提出した第33準備書面及び第34準備書面の内容は,次のとおりです。
(被告国第33準備書面)
結果回避(国の規制権限との関係等)、津波高さ、被水、SAに関する原告らの主張のうち、積み残していた部分への個別(補充)反論です。
(被告国第34準備書面)
長期評価の信頼性についての補充的な反論です。
⑵ 被告東電が提出した準備書面(27)及び東電準備書面(28)の内容は,次のとおりです。
(被告東電準備書面(27))
東京地裁に係属している同種訴訟である木村俊雄氏(元東京電力社員)の証人尋問を踏まえた地震説に対する反論です。
(被告東電準備書面(28))
原告第41準備書面で原告らが主張した田辺文也氏の2号機が津波到来前に地震で破損したとする見解に基づく主張に対する反論です
⑶ なお、第21回期日では、原告から提出した準備書面はありません。
4 進行協議期日について
今後の主張立証につき,進行スケジュールの確認をしました。
原告から,責任論のまとめ的な書面を提出する予定ではあるが,提出時期は未定であることを述べしました。また、陳述書については引き続き提出していく予定である旨を述べました。
被告らは,原告らの準備書面で反論が未了となっているものを引き続き提出していく旨を述べました。さらに、被告東電は、それに加えて,原告らの陳述書が出そろった後、全体的な弁済の抗弁に関する主張をする予定でいる旨述べました。
また,採否の決定が未了となっていた原告が申請した専門家証人の田辺文也氏を採用することを裁判所が決めました。
5 今後の期日について
令和元年12月12日(木)10時~
令和2年2月13日(木)10時~
令和2年4月23日(木)10時~
令和2年5月20日(水)開始時間未定。なお、水戸地方裁判所で実施する可能性あり。
令和2年7月3日(金):10時~
令和2年9月11日(金):10時~
*場所は、未定となっている令和2年5月20日を除き,いずれも福島地方裁判所郡山支部303号法廷です。
【本件についての問合せ先】
原発被災者弁護団都路町担当 弁護士 林 浩靖(03-6912-9271)