【報告】 都路町訴訟第18回口頭弁論期日等について

【報告】 都路町訴訟第18回口頭弁論期日等について

 

1 第18回口頭弁論期日について

平成31年4月26日(金)午後2時,福島地方裁判所郡山支部303法廷において,第18回都路町訴訟口頭弁論が開かれました。

 

2 主張書面の概要について

⑴原告が提出した原告第62準備書面から第64準備書面の内容は,次のとおりです。

 

(原告第62準備書面)

第62準備書面は,被告東電の今回の事故前の福島原発における事故隠しを中心に,市民団体などの指摘に耳を貸さず,安全性を犠牲に経済的利益ばかりを追い求め,そのような体質が今回の事故の遠因となったこと,被告国も,原子力事業者と二人三脚で不都合な事実を隠蔽してきたことを主張する書面です。

 

(原告第63準備書面)

第63準備書面は,東電準備書面(19)についての再反論です。東電の主張する内容には理由がなく,低線量とされる領域でも,放射線量が上がるごとにがん死リスクが増加することを述べた書面です。

 

(原告第64準備書面)

第64準備書面は,東電準備書面(22)についての再反論です。がん発生のメカニズムから考えても,放射線量が上がるごとにがん死リスクが増加することなどを主張する書面です。

 

⑵被告東電が提出した準備書面(23)及び準備書面(24)の内容は,次のとおりです。

 

(被告東電準備書面(23))

原告第45準備書面に対する反論です。東電において,事故時運転操作手順書に従って対応することは,現実の状況上困難で,田辺文也氏の見解及びそれに基づく原告らの主張に理由がない旨を主張しています。

 

(被告東電準備書面(24))

本件事故後の田村市都路地区の状況について,都路地区は強制避難区域ではないため,中間指針に基づく慰謝料で都路住民の精神的損害は十分に填補されており,そのことは都路地区の復興状況からも基礎付けられる旨を主張する内容です。

 

⑶被告国の準備書面の提出はありませんでした。

 

3 原告の意見陳述について

原告の1人が,法廷で,避難生活の苦労や,現在の都路町の状況などについて意見を述べました。

 

4 進行協議期日について

今後の主張立証につき,進行スケジュールの確認をしました。

原告から,責任論について概ね主張は終了しているが,東電役員刑事裁判の記録に基づいた主張は出す可能性があることを示唆しました。損害論については,次回期日から陳述書を出していく予定である旨を述べました。

被告国は,責任論について,予見可能性について総括した書面,今村教授の意見書についての準備書面,および,原告第48準備書面に対しての反論準備書面提出予定である旨を述べました。また,損害論については,可能であれば,福島県民健康管理調査に関する主張について反論予定でいる旨述べました。

被告東電は,過失論,損害論について,積み残しの反論をしていく旨を述べました。

その他,原告証人尋問,専門家証人の尋問,検証,現地進行協議の実施時期について,整理がなされました。

 

5 今後の期日について

第19回期日:令和元年6月21日(金)14時~

第20回期日:令和元年8月30日(金)14時~

第21回期日:令和元年10月18日(金)開始時間未定

第22回期日:令和元年12月12日(木)開始時間未定

*場所はいずれも福島地方裁判所郡山支部303号法廷です。

 

【本件についての問合せ先】

原発被災者弁護団都路町担当 弁護士 林 浩靖(03-6912-9271)