【報告】鹿島区訴訟第19回口頭弁論期日について

【報告】鹿島区訴訟第19回口頭弁論期日について

 

1 鹿島区訴訟とは

鹿島区訴訟は、南相馬市鹿島区の住民(30㎞圏外で、政府による避難指示区域外であるが、「地方公共団体が住民に一時避難を要請した区域」として中間指針の対象区域となっている地域)が原告となり、国と東京電力を被告として、一人当たり660万円の慰謝料等の支払いを求めている訴訟です。現在133世帯329名が原告として参加し、福島地方裁判所で審理されています。

 

2 第19回口頭弁論期日の内容

(1)日時

令和元年11月8日(金)午後2時、福島地方裁判所203号法廷(大法廷)において、第19回鹿島区訴訟口頭弁論期日が開かれました。

 

(2)原告提出書面について

① 原告第60準備書面(筒井証人,後藤証人に対する反対尋問で提示された論点に関する主張)

[内容]筒井証人、後藤証人の反対尋問で顕出された論点について、両証人の意見書に沿って補充したもの。

② 原告第61準備書面(木村俊雄証人尋問結果に基づく補充主張)

[内容]木村証人が意見書で述べている内容の正当性が、尋問により確認されたことなど。

③ 原告第62準備書面(被告国第19準備書面に対する反論)

[内容]貞観津波、規制権限不行使

④ 原告第63準備書面(事故時運転操作手順書違反に関する補足主張)

[内容]手順書を参照すべきであった時点に関する主張(原告第38準備書面)の補足、DDFPからの注水は有効に実施できたはずであること、2号機において急速減圧を行っても1~3号機において水源は確保できたこと、東電において徴候ベース手順書の訓練は適切に行われていなかったこと、3号機におけるSCスプレイの作動は誤った対応であったことなど。

⑤ 原告第64準備書面(線量に関する諸規制等)

[内容]線量に関する諸規制や南相馬市鹿島区での除染計画などを指摘しつつ、受忍限度は年間1mSvであることについて補充したもの。

 

(3)国提出書面について

① 被告国第26準備書面

[内容]予見可能性、決定論と確率論

② 被告国第27準備書面(損害論総論)

[内容]低線量被ばくの健康影響に対する不安感についての賠償の考え方と自主避難等対象区域居住者に対する賠償の考え方

③ 被告国第28準備書面

[内容]結果回避措置(吉岡説)

 

(4)東電提出書面

① 被告東京電力準備書面(18)(中間指針等に基づく精神的損害の賠償の考え方について)

[内容]中間指針における慰謝料の賠償指針の合理性・相当性と被告東電による避難対象者の精神的損害に対する賠償基準

② 被告東京電力準備書面(19)(放射線の健康影響に関する科学的知見等の整理)

[内容]放射線と健康影響に関する科学的知見と報道・周知の状況、UNSCEAR報告による評価

③ 被告東京電力準備書面(20)(原告第53準備書面に対する反論)

[内容]WG報告書

④ 被告東京電力準備書面(21)(原告第54準備書面に対する反論)

[内容]小児甲状腺がんの多発

⑤ 被告東京電力準備書面(22)(原告第55準備書面に対する反論)

[内容]LNTモデルなど低線量被ばく

⑥ 被告東京電力準備書面(23)(原告第35準備書面に対する反論)

[内容]2号機の地震による損傷(田辺文也説)

 

(5)意見陳述等について

原告第61準備書面要旨(呰弁護士)

 

3 今後の日程について

2020年2月28日(金)14時 鹿島区訴訟第20回口頭弁論期日(203号法廷)

 

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マザーシップ法律事務所 弁護士 内田 明

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