【報告】鹿島区訴訟(第17回口頭弁論期日について)

【報告】鹿島区訴訟第17回口頭弁論期日について

 

1 鹿島区訴訟とは

鹿島区訴訟は、南相馬市鹿島区の住民(30㎞圏外で、政府による避難指示区域外であるが、「地方公共団体が住民に一時避難を要請した区域」として中間指針の対象区域となっている地域)が原告となり、国と東京電力を被告として、一人当たり660万円の慰謝料等の支払いを求めている訴訟です。現在133世帯329名が原告として参加し、福島地方裁判所で審理されています。

 

2 第17回口頭弁論期日の内容

(1)日時

平成31年3月12日(火)午後2時、福島地方裁判所203号法廷(大法廷)において、第17回鹿島区訴訟口頭弁論期日が開かれました。

 

(2)原告提出書面について

① 原告第46準備書面(木村俊雄意見書に基づく補充主張及び被告東電準備書面(11)に対する反論)

[内容]元東京電力社員であり、福島第一原子力発電所の炉心の設計・管理を担当した経験を有する木村俊雄氏の意見書(甲B322)に基づく補充主張。

② 原告第47準備書面(長期評価の信頼性に関する補充主張、及び、被告国が提出している津波の予見可能性に関する意見書の誤りについて)

[内容]長期評価の信用性を否定する被告らの主張には根拠がないことを明らかにする主張。東電元役員刑事事件における前田憲二氏、嶋崎邦彦氏、郡司嘉宣氏の証言を踏まえた補充主張、被告国が提出した意見書に基づく被告国の主張に対する反論。

③ 原告第48準備書面(被告国第18準備書面等における確率論的安全評価に関する主張に対する反論)

[内容]「長期評価」を確率論的安全評価において取り扱えば足りるとする国の主張に対する反論など。

④ 原告第49準備書面(慰謝料の意義と慰謝料額の算定について、及び中間指針等は裁判規範として妥当しないこと)

[内容]原告第45準備書面で主張した鹿島区の被害実態について、法的な側面から主張したもの。鹿島区に特有の損害である地域社会変容慰謝料と平等権侵害に基づく慰謝料について主張。

⑤ 原告第50準備書面(原告らの抱く恐怖感・不安感は、心理学的観点から合理性があること)

[内容]原告らが抱いている恐怖感・不安感がきわめて強いものであること及び原告らがそうした恐怖感・不安感を抱き続けていることには合理性があることについて、主として心理学の観点から論じるもの。

 

(3)国提出書面について

① 被告国第22準備書面(予見可能性に関する統一準備書面)

[内容]予見可能性に関する国の主張のまとめ

② 被告国第23準備書面

[内容]IAEA事務局長報告書と技術文書2に対する批判など。

③ 被告国第24準備書面

[内容]東電元役員刑事裁判における今村教授の証言に関する原告の主張に対する反論など。

 

(4)東電提出書面

なし。

 

(5)意見陳述等について

① 原告第47準備書面要旨(米本弁護士)

② 原告第49準備書面要旨(内田弁護士)

 

3 今後の日程について

(2019年)

7月10日(水)14時  鹿島区訴訟第18回口頭弁論期日(203号法廷)

11月8日(金)14時  鹿島区訴訟第19回口頭弁論期日(203号法廷)

 

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