【報告】鹿島区訴訟第9回口頭弁論期日について

【報告】鹿島区訴訟第9回口頭弁論期日について

平成29年7月18日
1 第9回口頭弁論期日について
平成29年7月18日(火)午後2時,福島地方裁判所203号法廷(大法廷)において,第9回鹿島区訴訟口頭弁論期日が開かれました。

 

2 出席者について
裁判官3名,原告代理人16名,被告国代理人8名,被告東京電力代理人3名,傍聴者多数

 

3 提出書面の概要について
【原告提出書面の概要】
第17準備書面
①被告らが津波評価技術の適用を誤り,当時の地震学の知見である長期評価を踏まえた津波シミュレーションを直ちに実施しなかったこと,②被告国が,隠蔽・改ざん繰り返していた被告東京電力に対しその自主性に任せる行政指導しか行わず,実効性のある規制権限の行使をしなかったことにより東京電力における津波対策の遅れを招き,本件事故を引き起こさせた点が,国の規制権限不行使が「その不行使が許容される限度を逸脱して著しく合理性を欠く」状態に至っていたものと主張しています。
第18準備書面
原告第6準備書面で主張した本件事故に対する具体的結果回避措置の内容について,意見書に基づいて主張をさらに展開しました。
第19準備書面
東京電力が前橋地裁判決を引用するなどして過失の審理が不要であると主張している点に対して,被告東京電力の過失の審理が必要である旨を指摘したものです。この前橋地裁には批判がある上に,その前橋地裁判決においても東京電力の過失に関する詳細な検討がなされていることなどを指摘しています。
第20準備書面
被告東京電力準備書面(6)及び(9)に対する反論。「福島第一発電所 日本海溝寄りの想定津波の検討Rev.1」(甲B106)に関して,東京電力が「仮定的」なものとしていることなどに対して反論を加えています。

 

【被告国提出書面の概要】
第11準備書面
被告国第5準備書面及び同第8準備書面における主張の訂正,準備書面中の語句の訂正です。
第12準備書面
原告第6準備書面第2に対する認否です。
第13準備書面
段階的規制論に関して原告が釈明を求めたことに対する回答です。

 

【被告東京電力提出書面の概要】
準備書面(9)
原告第13準備書面に対する反論です(パラメータスタディに関する書面)。この書面に対する反論は,上記の原告第20準備書面で行っています。

 

4 意見陳述等について
原告の代表者1名による意見陳述と,原告代理人(内田弁護士)による原告第17準備書面の要旨の告知が行われました。

 

5 今後の進行について
被告らの責任の点を中心に,現在行われている主張・反論・立証の整理が今後も複数回の期日にわたって続く見通しです。

 

6 今後の日程について
9月26日(火)14時  鹿島区訴訟第10回口頭弁論期日(203号法廷)
※ 弁論期日後には,原告ご本人を対象に報告集会が行われます。
12月4日(月)14時  鹿島区訴訟第11回口頭弁論期日(法廷未定)
※ 弁論期日後には,原告ご本人を対象に報告集会が行われます。

 

【本件に関するお問合せ先】
〒160-0004 東京都新宿区四谷3-2-2 TRビル7階
マザーシップ法律事務所  弁護士 内田 明
TEL 03-5367-5142 FAX 03-5367-3742

以上