【報告】飯舘村長泥・蕨平田畑集団申立てでセンターが東京電力に和解案の受諾を勧告

【報告】飯舘村長泥・蕨平田畑集団申立てでセンターが東京電力に和解案の受諾を勧告

 

2017.6.9

 

2017.5.22付けニュースでお伝えしましたように,飯舘村長泥・蕨平の住民72世帯77名が申し立てた,田畑の財物損害の東京電力基準以上の賠償を求める集団申立てで,原子力損害賠償紛争解決センター(以下「センター」)が,平成29年2月14日に提示した,東電基準を上回る和解案(和解金額は和解案が提示された71世帯合計で約1億8754万円,以下「本和解案」)に対し,東京電力は,同年5月19日付けで「和解案に対する意見書」を提出して反論し,センターに和解案の再考を求めるとしていました。

 

これに対し,センターは,平成29年6月9日付け「連絡書」を出し,東京電力の意見書の内容を検討したが,東京電力の見解を容れることはできないと明確に述べました。

センターは,本和解案は,東京電力が拠り所とした「不動産価格調査書」に対する批判的指摘とともに,紛争の和解的解決を図るため,飯舘村長泥地区及び蕨平地区の被害実態を踏まえ,本件審理にあらわれた一切の事情を考慮して提示したものであり,合理性を有するものと考えるとした上,「当パネルは,被申立人(東京電力)に対し,本和解案の趣旨を十分に理解し,受諾するよう求める」として,明確に和解案の受諾を東京電力に勧告しました。

 

その上で,センターは,2週間後の平成29年6月23日を3回目の回答期限に設定し,東京電力に対し,本和解案を受諾するかどうかを回答するように求めました。

 

東京電力は,センターにおける和解仲介手続の迅速化に取り組み,センターから提示された和解案を尊重すると政府に提出した新・総合特別事業計画において誓約しています。東京電力には,センターが紛争の和解的解決を図るため,個別の被害実態を踏まえ,一切の事情を考慮して提示した本和解案を受諾することが社会的に強く求められているといえます。

 

本件についての問い合せ先:

原発被災者弁護団 事務局次長 弁護士 秋山直人(03-3580-3269)

 

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