【報告】飯舘村長泥・蕨平田畑集団申立てで東京電力がセンターの和解案に抵抗

【報告】飯舘村長泥・蕨平田畑集団申立てで東京電力がセンターの和解案に抵抗

 

2017.5.22

 

2017.4.24付けニュースでお伝えしましたように,飯舘村長泥・蕨平の住民72世帯77名が申し立てた,田畑の財物損害の東京電力基準以上の賠償を求める集団申立てで,原子力損害賠償紛争解決センター(以下「センター」)が,平成29年2月14日に提示した,東電基準を上回る和解案(和解金額は和解案が提示された71世帯合計で約1億8754万円)に対し,東京電力は,1回目の回答期限(3月14日)及び2回目の回答期限(4月28日)を過ぎても回答をしていませんでした。

 

東京電力は,平成29年5月19日になって,「和解案に対する意見書」を提出しましたが,その内容は,福島県不動産鑑定士協会に口頭で意見を聞いた等として,東京電力が同協会から提出を受けている不動産価格調査書の評価を補正する必要はない,不動産価格調査書で採用されている田畑の取引事例の取引価格は妥当な水準にある,等とセンターの和解案に反論し,センターに和解案の再考を求めるというものです。

 

東京電力の上記のような態度は,センターにおける和解仲介手続の迅速化に取り組む,センターから提示された和解案を尊重するという,東京電力が政府に提出した新・総合特別事業計画における自らの誓約に明らかに反するものであり,許されません。

 

当弁護団は,このような東京電力の対応に強く抗議するとともに,センターに対し,和解案を維持し,東京電力に和解案の受諾を勧告するように求めていきます。

 

本件についての問い合せ先:

原発被災者弁護団 事務局次長 弁護士 秋山直人(03-3580-3269)

 

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