【報告】飯舘村長泥・蕨平田畑集団申立てで東電が回答期限の無期限延期を要求

【報告】飯舘村長泥・蕨平田畑集団申立てで東電が回答期限の無期限延期を要求

 

2017.3.9

 

2017.2.20付けニュースでお伝えしましたように,飯舘村長泥・蕨平の住民72世帯77名が申し立てた,田畑の財物損害の東京電力基準以上の賠償を求める集団申立てで,平成29年2月14日,原子力損害賠償紛争解決センター(以下「センター」)が,東電基準を上回る和解案(和解金額は和解案が提示された71世帯合計で約1億8754万円)を提示し,回答期限を3月14日と指定していました。

 

ところが,東京電力は,平成29年3月8日付けで上申書を提出し,センターの和解案について,不動産鑑定に関する専門的な見地から検討する必要があり,今後,専門家の意見の徴求を含めた検討を行うことが必要であるため,回答期限の3月14日までに和解案の諾否に関する回答を行うことは困難であるとし,回答時期の目処については,分かり次第連絡すると上申しました。

 

しかし,センターが2月14日の進行協議期日で和解案の提示と理由の説明を行ってから,回答期限の3月14日まで,1か月間の時間の余裕があったのであり(通常の案件では和解案の回答までの検討期間は2~3週間です),東京電力は,この間に不動産鑑定士に意見を求めることも十分できたはずです。

 

東京電力は,国から資金援助を受けるにあたり政府に提出した新・総合特別事業計画中の「3つの誓い」の中で,センターから提示された和解案を尊重するとともに,和解仲介手続の迅速化に取り組むと誓約していますが,センターから指定された回答期限を軽視し,安易に回答期限の無期限延期を求めるに等しい今回の対応は,かかる誓約に反するものと言わざるを得ません。

 

当弁護団は,東京電力に強く抗議するとともに,センターに対し,東京電力のこのような対応を許すことなく,再度回答期限を明確に設定し,和解案の受諾を勧告するように求めていきます。

 

本件についての問い合せ先:

原発被災者弁護団 事務局次長 弁護士 秋山直人(03-3580-3269)

 

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