【情報】通訳案内士の方の一斉申立てについて

原発被災者弁護団は,通訳案内士の方々から多数の依頼を受け,12月5日,15名の方々を代理して,原子力損害賠償紛争解決センターに和解仲介の申立を行いました。

通訳案内士とは,通訳案内士法に定められた国家資格であり,外国人旅行者に付き添って,観光案内等を行ういわゆる「通訳ガイド」をいいます。

通訳案内士は,単に外国語に通じているだけではなく,わが国の地理や歴史,産業,経済,政治,文化といった多方面にわたる知識と教養を保ち,各地を訪れる外国人旅行者の案内を行う役割を担ういわば「民間外交官」ともいうべき専門資格者です。

原発事故の風評被害によって外国人観光客が訪日を敬遠するようになったことで,通訳案内士の方々は,ツアーをキャンセルされたり,予約が入らなくなったりする大きな被害を受けています。

しかしながら,外国人観光客の風評被害については,5月末までにキャンセルされたツアーの分のみが賠償の対象(いわゆる「中間指針」)になるとされており,極めて不十分な内容にとどまっています。

今回の原子力事故は,世界規模での影響が生じ,極めて広範囲の被害を及ぼしています。通訳案内士の方々の被害は,今回の原発の被害が,いかに社会の各方面に大きな影響を与えたかということ証左であり,弁護団としても,その被害の救済を図るべく,きちんと対応すべき案件であると考えています。

弁護団は,通訳案内士の方々のような被害も含めて,東京電力に対し,適正かつ公正な賠償を求めていく所存です。

 

ご依頼,相談については,当弁護団までお問い合わせ下さい。
一斉申立てについて PDFファイル(114kb)もあわせてご覧ください。