【報告】飯舘村蕨平集団申立てのセンター和解案に対し,東京電力が抵抗

【報告】飯舘村蕨平集団申立てのセンター和解案に対し,東京電力が抵抗

 

2014.4.7

 

 2014年3月24日付けニュースでご報告しましたように,飯舘村蕨平地区の集団申立て(33世帯,111名)で,原子力損害賠償紛争解決センターは,「和解案提示理由書」において,帰還困難区域の長泥地区と同等の賠償を認める和解方針を示し,同方針に基づいて,先行して2世帯について,正式な全部和解案を提示しています。

 

 最初に提示された世帯の和解案の回答期限は2014年4月4日でしたが,東京電力側は,回答期限の同日,「共通上申書」「個別上申書」を提出し,和解案への諾否を明言せずに,自社の見解に固執して和解案に異論を述べ,センターに対し,和解案の再考を求める,などと述べています。

 

 このような東京電力の姿勢は,同社が2013年12月27日付け「新・総合特別事業計画」で「3つの誓い」として誓約している内容,特に,「原子力損害賠償紛争解決センターから提示された和解仲介案を尊重するとともに,手続の迅速化に取り組む」との誓約に真っ向から反するものであり,到底許されるものではありません。

 

 センターから示された和解方針及び個別の和解案は,1年以上の審理の中で,東京電力側にも十分主張の機会が与えられた上で,正式なものとして提示されたものですから,和解仲介案の尊重を誓約している東京電力が,なおも和解方針や和解案に対する異論を述べて抵抗することは,和解仲介手続をいたずらに引き延ばすものに他ならず,強く批判されるべきものです。

 

 当弁護団は,そのような観点から,「被申立人の上申書に対する意見書」を提出しました。

 

 東京電力は,これ以上引き延ばしを図ることなく,センターの和解方針及び和解案を受け入れるべきです。

 

 また,センターには,東京電力に対し,再度期限を区切って,強く説得をすることを求めたいと思います。

 

 なお,長泥地区の集団申立てにおいては,東京電力は,同様に和解案に対する異論を述べましたが,センターが和解案を変更せずに諾否の回答を求めたところ,東京電力は順次,世帯ごとの和解案を受諾している状況です。

 

 本件についての問い合わせ先: 弁護士 秋山直人(03-3580-3269)

 

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